ステムセル研究所①

皆さんはご自身やお子さんの「へその緒」をお持ちでしょうか?私も幼少期、母から桐の箱に収められたミイラ化した黒い塊を見せてもらったことがあります。引越し、建て替えなどを経て今はどこにあるとも知れなくなった「へその緒」。今、非常に大きな可能性を見出されいます。そしてそれを事業としているのがステムセル研究所です。

あかちゃんのへその緒の中に含まれる血液を臍帯血といい、そこに含まれる幹細胞は遺伝子の変異も少なく自身の細胞であるため適合性の問題もないため、細胞治療や再生医療に活用できたり、ips細胞の良質なソースになるというわけです。これらの分野は急速に研究が進んでおり、現在治療が難しい様々な病気が将来において治る病気になる可能性を秘めています。そしてその臍帯血は一生に一度、出産時にしか採取できない貴重なものなのです。

万が一、わが子が難病を患ったときのためにその臍帯血を保存する「臍帯血バンク」。それがステムセル研究所の営む事業です。

また赤ちゃん本人だけでなく、親兄弟にも使用できる可能性があるそうです。一家全員の命の保険という考え方もできそうですね。

すでにステムセル研究所で保管していた臍帯血を用いた治療症例があります。臍帯血ってこういう使い方をしてこんな症例に効果を発揮するのかと驚きました。幅広い可能性を感じますね。もちろん将来的には臍帯血の細胞を培養・分化させて様々な器官を作り出す再生医療の研究も進んでいるようです。

海外では、自閉症・自閉症スペクトラム・脳性まひ・低酸素性虚血性脳症・先天性横隔膜ヘルニア・左心低形成症候群・Ⅰ型糖尿病・感音難聴といった研究症例があるようです。本当に様々な病気への応用が検討されているのですね。日本での臨床研究は海外に比べて遅れているようにも感じられますが、今後研究が進むにつれステムセル研究所の存在意義も大きくなってきそうです。

また、臍帯血とともに臍帯そのものも保管するサービスも開始しているようです。

臍帯血・臍帯だけでなく、様々な周産期組織の利用について大学や病院と共同研究もしています。半月板損傷が再生できるとしたら喜ばれる人は多そうですよね。こうしてみると周産期組織とは本当に宝の山で、これを残してあげることは生まれてくる子供に対してとてつもない贈り物になりそうですね。未来に向けて非常に期待できるとともに、とても意義のある素晴らしい事業なのではないでしょうか。

今回は事業内容をメインにご紹介しました。次回は決算と今後の成長性についてご紹介します。今回もお読みいただきありがとうございました。